2021年1月号『致知』特集総リード「運命をひらく」


特集総リード「運命をひらく」(P10)

・出会いの2つの原理
①他者または運命に背中を叩かれること。
②困難な運命に出会うことにより能力が上がる。
・成長の2つの原理
①「本物」に出会わないと「本物」になれない。
②「しびれる」何かに出会うこと。

これらの原理を体現した人物として「二宮尊徳」が紹介されています。

『至誠を本とし、勤労を主とし、分度を体とし、推譲を用とする』
至誠をベースに勤・倹・譲の3つを繰り返す人生の歩みが自分を正しい方向に導き運命をひらくことにつないでくれる。

二宮尊徳の教えの根本はこの4つであるといいます。

本誌の中では紹介されていませんが、この考え方を報徳思想(ほうとくしそう)というそうです。

 

〇報徳思想(ほうとくしそう)
「至誠(しせい)」をベースに、「勤労(きんろう)」「分度(ぶんど)」「推譲(すいじょう)」を実行するという考え方。

至誠=まごころのこと。
勤労=物事をよく観察・認識し、社会の役立つ成果を考えながら働くこと。
分度=自分の置かれた状況や立場をわきまえ、それぞれにふさわしい生活をすること(分をわきまえる、身の丈に合う)。
推譲=余ったお金を家族や子孫のために貯めること、他人や社会のために譲ること。

 

「至誠」つまり「まごころ」が根底にあります。
自分の「幸せ」だけを追求する「自利自利」よりも、家族や友人、仕事の仲間、顧客や社会も「幸せ」になれるよう行動する「自利利他」の心を持ち合わせたいものです。
その為には、あれが欲しい、これが欲しいと欲張った考え方や行動をするのではなく、「足るを知る」事が大切だと思います。
人間の欲は限りないものです。欲しいものが手に入れば、もっと良いものが欲しくなります。
身の丈に合った生活を行い、自分が持っているものを自分の為だけに使うのではなく、自分が持っているものを惜しみなく他人にも分け与え、相手に喜んでもらい、喜びの輪を広げていくことが大切だと思います。
世界中の人たちが、そのように考え行動すれば、世の中はもっと平和な方向へ進んでいくのではないかなと思います。
これをしていくためにも、自分が持っているものは何なのかを、明確に認識しておく必要があると思います。

 

また、最後から4行目の『わが道は至誠と実行のみ』という運命をひらく上での根幹となる尊徳の言葉が最も印象に残りました。

正しい考え方を得たならば、それを実践することの方が大切であることを肝に銘じたいと思います。

運命をひらく道に、近道はなし。

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